思い出の夏休み

60年代 懐かしの宝箱

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 自分にとって、60年代は、丁度、幼稚園・小学校・中学校という時期であっ
てもともと年を追って思い出が多い時期なのかもしれません。
 しかし、60年代という日本が変わって行った時だからこそというものもあっ
て、毎年いろいろな思い出が残っていったと思います。

 訳あって、いつもより、そんな過去を思い出すチャンスがあって、この企画
を考えました。

小田原に生まれた自分は、父の仕事の関係で1959年に
長野県の松本に移り住んでいます。

夏休みの出来事と思い出
1960年  兄弟のなかった自分にとって小田原にいたころ、従兄弟た
ちがまさに姉であって兄でありました。そんな姉・兄が6人い
たことになりますが、転居した翌年の夏休みには、中学生で
あった、従兄弟が松本まで来ています。当時、ヘルスセンタ
ー(今で言うスパでしょう)が近くにあって、揃って行っていま
す。ヘルスセンターにドクドクしいオレンジ色の生感の全くな
いオレンジジュースの自動販売機がありました。ヘルスセンタ
ーの大浴場では、どこかの知らないおじさんに風呂に投げ込
まれた怖い思い出があります。当時、子供にとって大人は怖
かったのです。
 小田原からは、小田急で新宿へ出て、新宿からはまだディ
ーゼルカーであった、急行「アルプス」か「白馬」に乗って来た
のでしょう。体調を壊した一人の従兄弟が途中の道中で帰っ
ています。
 松本の夏休みは、青々とした山に囲まれた、今思うと暑いと
言っても高原のような気候で、そこを駆け回り、虫や草花に
かこまれての、冒険の毎日。今考えれば大変贅沢な夏休み
でした。
 この年の夏には、ローマオリンピックがあったのですがさす
がに何の記憶もありません。幼稚園に通っていた自分には
NHKのテレビ番組「ブーフーウー」がお気に入りの番組でし
た。
1961年  この年の夏休みは故郷である小田原に行っています。松本
→小田原は当時の小学生1年生にとっては大旅行でした。今
仕事で松本を日帰り往復している自分を当時連想することも
できなかったですが。また今考えればおかしいのですが、長
野県の松本市から見ると神奈川県の小田原は大都会だと思
っていたのです。ですから、その途中の東京を見た時は大変
な驚きでした。たぶん、新宿、いや東京駅で乗り換えた際に
東京大丸デパートに寄ったのでしょう。小田原には海があっ
て、そして海水浴に行った覚えがあります。お部屋にある浮
き輪は当時自分が持っていた青と白が裏表のビニール製で
した。その頃はまだゴム製の浮き輪もあったと思います。
 幼稚園で使っていたカバンにお菓子をつめ旅行した覚えが
ありますが、幼稚園生と偽り、無銭旅行であった覚えがありま
す。小学1年生の付録冊子を持っての旅行で、車中車掌さん
に気付かれないかはらはらしていた・・・もう時効ですね。
 冊子であったのか、本であったのか、そろりしんざえもんの
とんち話が漫画になっていた記憶があります。
 この年、映画「モスラ」が公開になってます。テレビでは「シ
ャボン玉ホリデー」がそして歌では「上を向いて歩こう」が流行
った年です。
1962年  この年の夏休みはあこがれの東京へ転居でした。暑い夏で
友人のM君喧嘩別れして、別れの朝、松本駅に見送りに来た
覚えが鮮明にあります。移り住んだ東京の港区は東京タワー
が見えるけれど、自然もあると言った場所で、あれから40年
たった今でも当時の面影が残る場所でもあります。ひっこしで
アンテナを立てなくもテレビが見えるのはおどろきでした。
 この年は引越しながらも近くになった・・・ということで、故郷
の小田原に帰っています。そしてこの年はさらに足を伸ばし
て従兄弟たちと箱根にまで行っています。たぶんホテルO屋
ではないでしょうか。ケーブルカーへ乗り、ロープウェイに乗り
十国峠で記念写真ろ撮っています。
 テレビからは船橋ヘルスセンターの「ちょちょんのパー」や
「すかっとさわやかコカコーラ」のCMが頻繁に流れ、流行歌で
は「いつでも夢を」や「かわいいベイビー」がはやっています。
1963年  この年夏休みに入ると父の昔からの友人のところに行って
います。三島のおじさんと言ってましたが、とにかくやさしい人
で昔からおもちゃを気前良く買ってくれました。伊豆ながおか
に宿泊し、豪華な食事が出ましたが、エアコンが壊れていて
母は氷水を飲みすぎ胃痛を起こしましたが。後で冷房が暖房
になっていた・・・という落ちがつきました。
 この年の東京の夏休みは盛りだくさんで、従兄弟たちがプ
ロ野球を見にきたようなのですが、自分は行った覚えがまっ
たくありません。
 町内会で、富岡海岸に海水浴に行き、そして父の会社旅行
で岩井海岸にこれまた海水浴にここで始めてセパレートの水
着を見てびっくりしたものです。
 そして子供会では、目黒の自然教育園へ。そしてこの夏休
みには、母に連れられて、虎ノ門へ。そこで「アエイウエオア
オ」とやった覚えがあって。あれはオーディオションだったの
か、養成だったのか。とにかく盛り沢山な夏休み。
 「こんにちは赤ちゃん」がはやり、そしてテレビではすでに
「鉄腕アトム」が始まっておりました。
1964年  この年、港区から三鷹市にあった会社の寮に引っ越すこと
になり、学校の下見に行っています。子供会で渋谷の東急文
化会館にあったプラネタリウムに行って豆星博士になったり、
そして故郷の小田原に行くのですが、そこで原因不明の熱を
出しおそらく、2〜3週間わずらい、ひどいときは39度を越え
て、呼吸も苦しく、夜中に震えていた記憶があります。
 東京は、水不足で断水でした。そして東京オリンピックへと
街は変わって行きました。
 またもや友人との別れがありましたが、当時はなぜか転居
が多かったので、自分もその中の一人であったにすぎませ
ん。あの頃の友人との接点がないのは、まさに時間の放浪者
状態ですね。
 テレビでは、「ひょっこりひょうたん島」が始まっており、音楽
はいろいろあるのですが、おそらく「ザ・ヒットパレード」でやっ
ていたと思うのですが、洋楽ポップがご機嫌でした。
1965年  この年の夏休みは、学校の臨海学校があったことでしょう。
岩井海岸の施設に行っています。そして家族旅行は日光に
行っていて、はじめてカラー写真を撮っていますが、その色た
るや大変なものでした。東照宮・中禅寺湖、そして土産もので
気になったのが、鉱物見本。そこでは買わなかったのです
が、後日デパートで買っています。
 この頃の夏休みの楽しみは、学研の学習や科学の付録だ
ったと思います。夏には貝殻の標本や、太陽熱での実験など
有り余る時間の中で消化されていったのでしょう。
 しかし、小学生の夏休み中では比較的イベントの少ないと
いうことが今更ながら感じられます。 
1966年  この年の夏休みは、学校の林間学校で箱根に行ったことで
しょうか。旅行のしおりの箱根の外輪山や、バスの中で歌っ
た歌など。
 そして、思い出の松本に帰っています。みどりの窓口ができ
た頃で、新宿まで取りに行きましたが、とれずグリーン車とな
ったことが思い出されません。もうすでに電車で165系になっ
ていました。
 そして、故郷の小田原にも行っており、従兄弟と大磯ロング
ビーチに行っています。そこで見たワイルドワンズは本物だっ
たのでしょうか?
1967年  この年の夏休みはもんもんとクラスの女の子のことを思って
いたことになってますが、久々の港区の友達のところに行っ
ており、従兄弟が来て三鷹車庫、そして模型屋に。小田原に
帰って従兄弟とサウンドオブミュージックを見に行くなどけっこ
ういそがしい夏休みを送っています。
 夏季の自由研究は、交通事故と天候の関係をグラフにした
と思います。自分的には企画は良かったと思うのですが、評
価は良くなかった思います。
 マイブーム的には鉄道模型だったでしょうか。
1968年  この年の夏は、家族旅行で、蓼科に行っています。そして学
校の夏季施設で伊香保に行っています。 キャンプファイヤ
ー、仮装、肝試しなどいろいろありました。
 夏季の自由研究は押し花をしたと思います。たぶん旅行に
行ったときのものだったのでしょう。同じような企画の子もい
て、出来をくらべられこれも評価はいまいちでした。
 鉄道模型をやったのか、電子工作をやったのか?
1969年  夏休み前に小田原に行き、発熱。修学旅行の発表会をさ
ぼってしまい、夏休みは「アポロの月面着陸」から始まってい
ます。そして、友人とオーディオメーカーのショールーム訪問。
しかしお盆休みであったという落ちがついています。オーディ
オ雑誌をみながら、お金はないけれど、時間はあった、そん
な頃です。
 この頃すでに電子工作マニアでしたので、夏季の自由研究
のテーマは、電池の寿命とスパーヘテロダイン方式のラジオ
の原理研究でした、内容的には初歩のラジオを書き写したよ
うなものでしたが。もう受験をめざす夏休みで、気持ちはそう
であってもなかなか内容に結びつかないそんな感じだったと
思います。

 いろいろな夏休みありました。そのどれもが楽しかった・・・

 2008年7月19日、夏休みの始まる日、3連休の初日、父が亡くなりまし
た。

 朝6時、休みの初日ということもあって、早く目覚めました。
6時半、かねてより入院していた病院の当直医より電話がかかりました。
 7時19分病院に到着しました。その時、まだ父は鼓動を打っていました。
それから1分ほどで脈はちょっと乱れ、静かになって行きました。
 私の到着を待つように7時21分、永眠しました。

 今回の企画は父の追悼の意味も含め、通夜の父の亡骸の横で、昔を
思い出しつつ、明け方まで作成したものです。

 痴呆症で施設に入って4年。ほとんど語ることのない父でしたが、その父
から自分は多くを教えられたと思っています。

 葬儀は父の希望も有り、家族・親族代表10名ほどで、手作り感のあ、心
残りのない見送りを、葬儀社の方と相談で行いました。
 参列された何人かの方から、こんな葬儀も良いね・・・と言って頂けまし
た。

 私にとって、忘れることの出来ない「思い出の夏休み」となりました。

いろいろな夏休みがありました・・・


60年代夏休みの思い出
楽しい夏休み2 夏休みの雑誌研究
楽しい夏休み3 雑誌に見る夏休みの遊び
楽しい夏休み4 おやつ・デパート・ゲーム
楽しい夏休み5 夏休みの水遊びには
楽しい夏休み6 ふろくと懸賞プレゼント
楽しい夏休み ちょっとアブナイ広告
楽しい夏休み8 夏休みの見学会
楽しい夏休み9 雑誌の表紙と付録広告
楽しい夏休み10 夏休みの宿題対策
楽しい夏休み11 夏休みと健康
楽しい夏休み12 少年雑誌・学年誌・年鑑
思い出の夏休み ヒストリー
60年代 楽しい夏休み14 雑誌

夏の終わりの風に乗せて




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